今回は、古くから日本人の暮らしの中にあり、日本文化や歴史と深いかかわりがある桐材を使った家具をご紹介します。因みに桐は、ゴマノハグサ科の落葉高木で、原産は中国とされていますが定かではありません。日本では北海道から沖縄まで広く分布しており、中でも福島県の会津桐や岩手県の南部桐が知られています。
日本の木材の中では最も軽く、吸湿性に優れており、狂いも少ないという特徴から、古くから箪笥などの家具で用いられてきました。家具に用いられてきた理由は、吸湿性と狂いが少ないという事だけではありません。この木材は火にも強く、表面が焦げて炭化し、中まで火が届きにくいという性質を併せ持っているため、家具材として重宝されてきたと言われています。木材が軽いのは持ち運びも楽ですから、それも要因かもしれませんね。
先日ご紹介したデザイナーズ家具の「ウルムスツール」も、この桐材を使って作られています。
そして、桐と言えば神聖な木としても知られている木材。
桐は、古くから鳳凰が止まる神聖な木として扱われ、天皇の家紋「菊花紋」に準じる家紋としても用いられていました。昔はこの桐紋も天皇の家紋として扱われ、誰も使う事は出来ませんでした。しかし、室町幕府以降、武家社会となると権力を示す為にこの紋を望む者が現れ、それを天皇から賜った者が政権を握っていたことから、政府の紋として定着することになって行きました。桐紋には様々な物がありますが、五七桐紋が正式な形として扱われています。五七桐紋の他には、五三桐、太閤桐などがあります。
ちょっと話が逸れてしまいましたね。桐材の話に戻しましょう!
桐材の特徴は、先程も書きましたが、軽い、吸湿性に優れている、狂いが少ない、火に強いという点ですが、その他にも防虫性に優れていると言われています。その防虫性能を活かしたのが桐箪笥や桐箱ですよね。桐箪笥や桐箱に閉まっておけば虫がつかず、腐りにくいとも言われています。
デメリットと言えば、樹液が比較的多く出るという点でしょうか。この樹液は日光や空気に触れると黒色に変色してしまいますから、樹液を抜く作業や乾燥が非常に重要な作業になっていきます。これを怠れば、良質の材料としては使えなくなってしまいます。
桐箪笥や下駄、水桶など古くから日本人の生活に溶け込んでいる桐材。これからももっと多くの家具や雑貨などに使われていくことでしょう。
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