今回は、エルメス、カルティエ、フィリップスなど世界の一流メーカーから作品を発表しているイタリアのデザイン・アートの巨匠「アレッサンドロ・メンディーニ(1931年~)」をご紹介いたします。
メンディーニは、1931年にイタリアのミラノで生まれました。ミラノ工科大学建築学部を卒業すると、60年代にはニッツォーリの建築事務所で働き始め、1970年より、建築雑誌「カサベラ」の編集部にも勤務するようになります。72年にはニューヨークのMoMA(ニューヨーク近代美術館)で開催されたイタリアのデザイン展覧会「イタリー・ニュー・ドメスティック・ランドスケープ」に参加しています。
メンディーニは、産業革命以降、工業化されたやすっぽいデザインが大量に出回っている事への批判を続け、73年に反インダストリー・反大量生産のラディカル・デザイン運動を掲げた「グローバル・トゥールズ」を設立します。しかし、この運動が引き金となり、カサベラ編集部を追放されてしまいます。その後、彼の掲げた思想は多くの人に共感を呼び、次第に彼のデザインが広く受け入れられるようになっていきます。
1977年からはデザイン誌「モード」の編集長となり、80年から85年まではジオ・ポンティが初代編集長を務めた「ドムス」の編集長を務めるまでになります。78年には、エットーレ・ソットサスやミケーレ・デ・ルッキらを巻き込み、アバンギャルド・デザイン集団「スタジオ・アルキミア」に参加します。この時期に制作されたのが、ロマンチックなバロック調の肘掛けに、点描風のペイントが施されている「プルーストの安楽椅子」です。
その後、キッチンウェアなどを手掛けるブランド「アレッシイ」のデザイン・コンサルタントを務め、80年代後半には世界中で人気となった「スウォッチ」のアートディレクターを務めて行きました。このほかにも、エルメスやカルティエなど、世界中の一流メーカーのデザインを手掛けています。
数多くのデザインを残しているメンディーニは、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やメトロポリタン美術館など、世界中の美術館の永久コレクションとなっており、ニューヨーク建築連盟からは、名誉勲章を受章しています。現在もなお活躍し続けているメンディーニ。これからも革新的な作品が見れることを期待してしまいますね。
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