今回は、イタリアにおける工業デザインの父として知られる「マルコ・ザヌーゾ(1916年~2001年)」をご紹介します。
マルコ・ザヌーゾは、1916年にイタリアのミラノで生まれます。建築学についてはミラノの名門であるミラノ工科大学で学ぶことになります。ミラノ工科大学を卒業後、ミラノで建築家、都市プランナー及びデザイナーとして活動を始めました。仕事を始めてすぐのころは、雑誌「ドムス」や「カサベラ」の編集者を務めていた時期もありました。
仕事をスタートさせて3年ほど経過したある日、ザヌーゾはイタリアのタイヤメーカー「ピレリ社」のためにラテックスを使ったシートの実験を行い、これがきっかけでピレリと共同でデザインした椅子「Lady(レディ)」をアルフレックスから発表することになります。この椅子がミラノサローネのトリエンナーレで出品され、金賞を受賞します。これがきっかけで、アルフレックスの知名度が上がったとも言われています。
1958年からは、ドイツ人デザイナーのリチャード・サッパーと一緒にたくさんの仕事をこなすようになります。2人は家具や照明、電化製品の分野で非常に独創的なデザインを残していきます。代表的な物では、イタリアの有名ブランド「カルテル」から発表された子供向けチェア「4999/S」でした。
その後も多くの作品を手掛け、トリエンナーレに出品しました。その度に高い評価を受け、メダリア・ドーロやグラン・プレミオ、コンパッソ・ドーロ賞等、数多くの賞を受賞しています。
彼は、デザインの美しさに加えて、技術革新や産業、流通等を組み入れ、プロダクトの工業化にも尽力して行きます。
数多くのデザインを手がけ、イタリアの工業デザインを生み出した父とまで言われたマルコ・ザヌーゾは、2001年にこの世を去ります。享年85歳。
今でも彼の残したデザインは輝きを放ち、存在感を示し続けています。デザインとは何なのか等、彼の残した功績はあまりにも大きいと言えるでしょう。
※ラテックスとは
ゴムの木類から採取した樹液の代名詞となっているもので、ゴムや塗料などに使用されています。
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