重要

塗装についてVol.4 ~石鹸塗装とは~

日本ではあまり耳にしない「石鹸塗装」。いったいどんな塗装なのでしょうか。
実はこの塗装方法は、日本で耳にしないだけでヨーロッパ(特にデンマークなどの北欧)では「ソープフィニッシュ」という呼び方で、昔から伝わる最もポピュラーな塗装方法なのです。この塗装は、木材の保護塗料として石鹸を塗り付け、木材自体の汚れを防ぐ方法。石鹸の成分は油脂であり、水で溶いて塗ることによって木部に浸透しやすくなり、乾燥すれば木に油分だけが残るという訳です。

オイル塗装とかなり近い方法ではありますが、オイル塗装よりも油膜は薄く、木が呼吸をし、木そのものの質感をさらに感じることができる塗装です。仕上がりが濡れ色にならず、白木の美しさを最大限に引き出すことができます。

例えば、ハンス・J・ウェグナーの「Yチェア」には、この方法が使われている仕上げがあります。

弱点としては、オイル塗装より保護力が弱いため、年に数回塗りなおす必要があることと、食品(特に酸性のもの)には弱いと言われています。あとは塗装後は少し白くなるので、濃い目の木材には向いていないと言えますね。

最近では、撥水効果を持たせた商品も開発されているようなので、より多くの場面で使えるようになってきています。
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塗装について Vol.2 ~合成樹脂塗装とは~

現在、塗装の中で最も使われているのが合成樹脂塗装と言われています。
特に家具では全体の6割~7割はこの塗装が使われています。理由は様々ですが、コストが安く安定性があるという事が一番の理由のようです。

メリットが多いように思えるこの塗装、なぜすべての家具に使われていないのでしょうか。
理由は、この合成樹脂が石油化学製品から作られているためシックハウス症候群等が危惧されているためのようです。
近年では、環境にも健康にも考慮された塗料(F☆☆☆☆)が使われるようになってきており、シックハウス症候群を引き起こすような塗料は、使われる割合も徐々に少なくなって来ています。
ただ、この塗料は安定性が悪いとされているため、塗装には相応の技術が必要と言われています。
合成樹脂塗装は、ウレタン塗装やアクリル塗装など、塗料の種類により呼び方が違ってきますが、その中から家具に多く使われているウレタン塗装について少し書いておきます。
このウレタン塗装は、家具の仕上げはもちろん、フローリングにも使われていることが多い塗装です。
(車の補修にも使われていたりしますね。)

ウレタン塗装のメリット
・塗装後の光沢感や付着性に優れている
・塗膜を作ることで汚れを付きにくくすることができる。
・紫外線などに対しての耐侯性が高い。
・木の呼吸を抑制するので割れや反りが発生しにくい

ウレタン塗装のデメリット
・化学物質を含む
・プラスチックのような冷たい質感になってしまう。
・塗装が剥がれた際は、修復が難しい。
この塗料については、化学物質が含まれる物もありますので、塗装の際は十分に注意する必要があります。
塗装の方法や種類により、家具の価格も異なってきますので、購入の際に少し注意して見てみてください。
次回の塗装についてのシリーズは、「オイル塗装」について書いていきます。

 

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