今回は、プラスチック家具にいち早く取り組んだことで知られる「ヴィコ・マジストレッティ(1920年~2006年)」をご紹介いたします。
ヴィコ・マジストレッティは、1920年にイタリアのミラノで生まれました。
建築については、イタリアの名門でもあるミラノ工科大学で学びます。1945年に卒業するとすぐに父親のデザインオフィスに勤務し、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせます。勤務し始めてから間もなく、Cassina(カッシーナ)やarflex(アルフレックス)といった一流のインテリアブランドでデザインを手掛けるようになって行きます。
この「超」が付くほどの一流ブランドとの関係は、この後もずっと続いていきます。そして、発表された12点もの作品が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションとなっています。
父親のオフィスでデザイナーとしてのキャリアをスタートさせてから15年がたったころ(1960年代以降)から、彼の才能がより大きく開花して行きます。建築家として都市設計やホテル、映画館などを手掛ける一方、椅子や照明などのプロダクトデザインでも多くの作品をデザインして行きます。この時にカッシーナから発表されたソファ「マラルンガ」は、20世紀の不朽の名作として高く評価されています。
そして、彼の功績の中で最も輝きを放つのは、当時としては画期的だったプラスチック素材にいち早く注目し、それを使った家具を発表した事だと言われています。現在では、プラスチック家具と言えば、イタリアの一流ブランドであるKartell(カルテル)が思い浮かびますが、マジストレッティがプラスチック家具の道を切り開いた功労者であることは間違いありません。
たくさんの作品を発表したマジストレッティは、数多くの賞を受賞しているのも有名ですよね。その中でも、3年に1度しか贈られることのない賞であり、デザイン業界最高の賞と言っても過言ではない「コンパッソ・ドーロ賞」を2度も受賞しています。それ以外にも、ミラノ・トリエンナーレではグランプリを受賞し、さらにケルンで開かれる国際家具見本市でも最優秀賞を受賞するなどしています。
現代のプロダクトデザインを牽引し続けてきたマジストレッティですが、2006年にこの世を去ってしまいます。享年86歳。
プラスチックという新素材を家具へ使用し、その可能性を示したマジストレッティ。現在では当たり前のこの光景を、その当時の彼はどのように見ていたのでしょうか。とっても興味が有りますよね。
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