今回は、著者、建築家、プロダクトデザイナーなど、デザイン設計活動以外にも多彩な才能を発揮し、20世紀のアメリカモダンデザインの立役者の1人でもある「ジョージ・ネルソン(1908年~1986年)」をご紹介いたします。
ジョージネルソンは1908年にアメリカのコネチカット州ハートフォードで生まれました。1931年にイェール大学で建築学を学び学位を取得。その後も建築について学び、ニューヨークで知人と共に建築事務所を設立しました。
建築事務所の仕事と並行して建築系雑誌の編集長も務めており、そこで多くの著書を出版しています。その中には、昔からの考えであった、最前線で活躍する建築家たちへのインタビュー記事もあり、それらを通じてヨーロッパのアバンギャルドをアメリカのデザイン界に紹介しました。
いくつもの雑誌に記事を掲載していましたが、『ライフ』誌で大きく取り上げられたストレージウォール(壁面収納)についての記事が、ハーマンミラーの創業者D.J.デブリー氏の目に留まり、自社のデザインディレクターを引き受けてくれないかと説得されます。ネルソンはその話を快諾し、その後20年間ハーマンミラー社のデザインディレクターを務めます。その間、当時は無名だったチャールズ&レイ・イームズをデザイナーとして起用し、同社での家具製作を行うように交渉しました。これは後のハーマンミラー社にも大きな影響を与えることになります。
イームズの他にも、イサム・ノグチ、エーロ・サーリネンらをデザイナーとして起用し、ハーマンミラー社を一躍世界的な家具メーカーへと成長させて行きました。自身も「プラットフォーム ベンチ」など多くのプロダクトを発表し、後のミッドセンチュリーと呼ばれる時代の一角を担っていきます。
その後も数々のプロジェクトに関わり、作品も多く発表しました。しかし、1980年代に入ると徐々に体力的にも限界を感じ、事務所を閉鎖、デザイン界から引退をします。そして1986年、ニューヨークで死去します。享年78歳
現代でも多くの人々に愛されているジョージネルソンのデザインの数々。それだけでなく様々なデザイナーを見出した手腕は、特筆すべき点であり、その功績は、現代のデザイン業界にも大きな影響を与えた人物と言っても過言ではありません。
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