今回は、卓越した色彩構成と近未来的な空間構成で、モダンデザイン史に大きな影響を与えたデザイナー「ヴェルナー・パントン(1926年~1998年」をご紹介いたします。
パントンは、1926年デンマークで生まれました。最初は建築ではなく、デンマークのオーデンセでアーティストとして活躍していました。その後、コペンハーゲンにある王立美術アカデミーで建築を学び、1951年に卒業します。在学中の1950年からは、同じデンマーク生まれのデザイナーであるアルネ・ヤコブセンやポール・ヘニングセンと共に仕事をし、伝統的なデンマークデザインについて学びました。
しかし、パントンは、異端児として扱われ1952年に事務所を後にすることになります。その後、自分のデザイン事務所を設立し、家具や空間デザインなどを手掛けることになります。
1950年後半から1960年代には数多くの画期的なデザイン提案を行い名声を博していきます。その中の1つがSチェアでした。プラスチックを使った一体型成型でつっくられたこの椅子は、構想から制作・発表まで合わせて20年以上もの研究を費やした物でした。現在では「パントンチェア」とも呼ばれているこの椅子は、ミッドセンチュリーを代表する名作椅子となります。
北欧生まれのパントンがなぜプラスチック製の椅子にこだわったのかは定かではありませんが、一説には、木を使った北欧の伝統的な技法を嫌っており、自由な形にデザインでき、安く生産できるプラスチック素材に魅了されていたからとも言われています。
1960年後半から1970年に掛けては、家具だけでなく空間も含めたトータルデザインに移行していきます。床・壁・天井を一体化させた有機的な空間「ファンタジーランドスケープ」が有名ですよね。曲線的な床・壁・天井とそれに合わせた家具や照明、そして色彩構成はパントンにしかできない革新的な作品でした。
自分のビジョンを曲げてまで保守的な物を作らなかったパントン。常にエキサイティングで話題性のあったパントンは、今でも多くの人を魅了し、遊び心のあるデザインは現代の人々にも深い共感を与えています。
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