今回は、世界中で愛され、親しまれているカトラリーを作り出したデザイナー「カイ・ボイスン(1886年~1958年)」をご紹介いたします。
最初に、カトラリー(cutlery)と言う言葉をご説明しておきます。カトラリーとは、食卓用のナイフやフォーク、スプーンなどの総称です。高級なカトラリーには、銀合金製のものが使われているものもありますよね。このカトラリーにデザインを取り入れたのが今回ご紹介するカイ・ボイスンです。
カイ・ボイスンは、1886年にデンマークで生まれました。20歳の頃から4年間にわたりデンマーク王室御用達のジュエリーブランドである「ジョージ・ジェンセン」で働いていました。ここで銀細工師として修業したのち、コペンハーゲンで本格的に銀細工師としての道を歩み始めます。
本来の銀細工では仕事がなく、手先の器用さを活かす事の出来る木製人形を作り始めます。その人形は、Monkey(サル)、Elephant(ゾウ)などの木製人形(玩具)等で、手作りしたその人形たちを通して彼の名前は知られていました。
その後、1938年にカトラリーのデザインを手掛ける事になります。シルバーカトラリーとしてデザインされましたが、当初はそれほど有名にはならず、大戦状況下であったため銀の調達が難しくなり、当時の工業デザイン商品の素材としては珍しい「ステンレス」を用いて制作することになります。最初にデザインされたシルバーカトラリーを元に、このステンレスカトラリーは作られ、1951年に発表されます。発表された場所は、ミラノトリエンナーレ。そこでグランプリを受賞することになります。それ以来このカトラリーは「グランプリ」と呼ばれるようになります。
この製品がデンマークで発売されると、デンマーク中で大きな反響を呼び、デンマーク王室御用達として、世界各国のデンマーク大使館でも愛用されるまでになります。その品質の確かさや、美しいデザインは、発売されてから50年以上たった現在でも人気があり、デンマークでは知らない人がいないほどです。その功績は大きく、1991年には記念切手となって発行されています。
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