インテリアをおしゃれにコーディネートするときに活躍してくれるデザイナーズ家具。椅子やテーブル、照明など、多くのアイテムがありますし、特徴的なデザインともなればインテリア空間のアクセントにもなってくれます。最近では、オブジェとしてデザイナーズ家具を置いている方も多いですよね。
アルネ
人気のリプロダクトモデルのチェアがリニューアル!!
巨匠デザイナーたちがデザインした椅子やテーブルなどの多くの家具は、おしゃれで洗練されており、1台でも家にあれば、空間全体がおしゃれに見えてきますよね。使うのはもちろん、最近ではオブジェとして飾っている方も多いようです。
成型合板を使った人気のアントチェアに新色登場。
家具のデザインが大きく花開いたミッドセンチュリーという時代。現代でも人気の椅子や机など、おしゃれでデザイン性に富んだ作品や、その家具を作り出すために多くの新しい技術が確立されました。
アリを思わせるようなフォルムが特徴的なデザイナーズチェア
様々な形がある椅子。背もたれのないものはスツールと言われて、様々な場所で活躍していますよね。もちろん、通常の椅子も、ガッチリとしたデザインの物があったり、シンプルな物があったりと、本当にバラエティーに富んでいます。
現代でも人気のデザイナーズチェア「セブンチェア」。
ミッドセンチュリーと呼ばれる時代に人気を集めたデザイナー「アルネ・ヤコブセン」。デンマークを代表する建築家であり、現代でも人気のセブンチェアをデザインした人物でもあります。
成型合板の名作チェア「セブンチェア」のリプロダクト品。
皆さんは成型合板と言う言葉を聞いたことはありますか?この合板は、その言葉の通り、合板を成型する工法。ミッドセンチュリーと呼ばれる時代に多くのデザイナーがこの合板を採用し、名作家具を作り出しました。
アルネヤコブセンが作り出した成型合板を使ったチェア。
成型合板と聞くとチャール&レイ・イームズを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、世界で初めて背もたれから座面に至るまで、一体化した構造で椅子を作り上げたのは、アルネヤコブセンという人物でした。
半世紀以上も絶大な人気を得ている美しい曲線のチェア。
木材を使って複雑な曲線を作り上げるのは非常に難しいと言われています。しかし、薄い板材を何枚も重ねて作り上げる積層合板であれば、それを可能にすることができます。方法は、薄い板材の繊維を90度で交差するように積み上げて行きます。それを型にはめ、48時間程度熱圧縮をします。すると、型通りの曲線に作り上げる事が出来るのです。これを成型合板と呼んでいます。
ヤコブセンがデザインした成型合板を利用して作られたチェア
成型合板と言えば、チャールズ&レイ・イームズですよね。LCWやシェルチェア等、様々なデザインを発表しましたが、今回ご紹介するチェアは、このイームズのデザインではありません。このチェアは「セブンチェア」と呼ばれていて、デンマークを代表するデザイナーであるアルネ・ヤコブセンがデザインしたチェアのリプロダクト品です。
いろいろなデザイナーVol.8 ~アルネ・ヤコブセン~
今回は1度は座ったことがあるはずの椅子「アントチェア」をデザインした「アルネ・ヤコブセン(1902年~1971年)」について紹介したいと思います。
アルネ・ヤコブセンのフルネームは「アーネ・イミール・ヤコブセン」と言います。
1902年にデンマークのコペンハーゲンで生まれます。
最初は画家を目指していましたが、両親の反対を受け断念。その後、友人の建築家に絵の才能を認められ建築の道を勧められます。
1924年にデンマーク王立芸術アカデミーに入学、在学中にパリ万博のデンマーク館に使用する椅子の設計を手掛けています。
1929年には友人の建築家とモダニズムの形式をとった未来の家を発表します。この作品がデンマーク国内に置いて高く評価され注目を集めます。以降は住宅の設計依頼が増え始めたため事務所を設立。数々の住宅を手掛けていくことになります。
第二次大戦中は、設計などはほとんど手掛けることはありませんでしたが、亡命先のスウェーデンから帰国後徐々に仕事を再開していきます。そして1950年ごろから世界的な評価を受けることになる家具デザインをスタートさせます。そのスタイルは1952年に作られた「アントチェア」で確立されます。
アントチェアは座面から背もたれに至るまでを成型合板で制作し、脚はスチールパイプを使うというものでした。コスト面でも低く抑えることができ、さらに座面から背もたれに至るまでの曲線が座っている人の姿勢にも自然にフィットし、何とも言えない心地よさを感じることができます。現在でも非常に人気のある椅子として知られています。
アントチェアの発表後、「セブンチェア」「スワンチェア」「エッグチェア」と続けて発表していきます。これらの椅子はホテル等にも置かれ高く評価されます。
ヤコブセンは、建築や家具だけでなく、照明や時計に至るまで様々な物をデザインしてきました。機能主義をポリシーとし余計な装飾は行わず、使い勝手を考えた作品を多く残しています。
今でも世界中で使われているのも、この使い勝手を考えたデザインだからこそなのかもしれませんね。